「仮説→実行→検証→仕組化」でとらえた観客ニーズ

楽天野球団はホームの宮城球場(現クリネックススタジアム=Kスタ)を大幅改修などすることで、宮城県から年5000万円の使用料で活用している。ソフトバンクホークスの年48億円に比べると、圧倒的に有利である。

「うちは球場にこれまで90億円ほどの投資をしました。それをそっくり県に寄付して、無形固定資産として使用権、営業権をもらっているのです。10年ぐらいで割り戻していますので、だいたい年9億円の償却となります」

自前球場と比べると固定資産税の負担がなく、税制上もランニングコストも低く抑えることができる。これでスタジアムから、販売戦略に乗った入場料収入、広告看板を利用するスポンサーシップ収入、直営ショップによるグッズ販売収入、飲食、テナント収入を効率よく上げることができる。

結果、1年目に1億5000万円の営業利益を確保し、周囲をびっくりさせた。要因は予想を上回る20億円以上の広告収入やグッズ販売だった。2年目以降も、償却費、球場改修費を除けば、収支はプラスを維持する。09年は売り上げが90億円近くに上り、営業損益ではマイナス6億円となりそうだ。

「リーマンショックでスポンサーセールスが大変な目にあいました。30億円ほどあったスポンサー収入が7億円減ったんです。それをチケット収入の上積み分やグッズ販売で補い、前年ととんとんのところまできました。クライマックス分の上積みで収益が改善したので、結果的には増収増益となりました。PL(損益)上はマイナス6億円ですけど、キャッシュフローではプラスです。経営視点でいうと自慢できるところだと思います」

楽天のビジネスモデルのつくり方は現実的、かつシンプルだった。プロ野球ビジネスをユニットごとに区切れば、収入源は基本として(1)入場料(2)スポンサー(3)テレビ放映権(4)グッズ(5)飲食(6)ファンクラブ――の6つである。