差額ベッド料を請求してはいけない3つのケース治療実績は病院の実力を知る一つの指標。納得の治療を受けるには、病院と「治療法」選びが重要。手術数から実力病院を検証する。

治療実績を見れば病院の実力がわかる

さまざまな専門性を持つ医師が集まり治療方針などを検討するキャンサーボードの一コマ。どの病気も多職種が連携する病院を選びたい。
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さまざまな専門性を持つ医師が集まり治療方針などを検討するキャンサーボードの一コマ。どの病気も多職種が連携する病院を選びたい。

病院にはそれぞれ得意分野があり、実力にも差がある。治療実績を示す症例数は病院の実力を見る指標の一つだ。

今回、日本人の三大死因である、がん、心臓病、脳疾患について、公開データである症例数を基に実力病院をリストアップした。利用したのは、DPC(診断群分類別包括支払制度)のデータだ。DPCは、2003年から導入された制度で、主要な病気が2658種類の診断群に分類されている。

DPCを導入している病院の実績は、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会が、「DPC導入の影響評価に関する調査」を実施し、厚生労働省のウェブサイトで公開している。国の機関が収集しているデータであり、その信頼性は高い。

2010年6月に公表された同調査の対象となったのは、09年7月から12月までDPC参加病院または準備病院だった1607病院。今回、DPCデータを利用したのは、11年以降に導入する準備病院も含め、全国の主要な病院がこの調査の対象になっており、病床数では約46万5000床と全病床の半数を超えたからである。09年までは、病気別に「手術あり」「手術なし」の件数しかわからなかったが、10年はさらに詳細なデータが病院別に発表されたことも大きい。

治療実績として示した症例数は、09年7月から12月までの半年間の実績である。年間症例数ではないので、誤解しないようにしていただきたい。

これまで、プレジデント誌では、実力の高い病院を調べるために、厚生労働省に報告が義務付けられている手術に関しては、地方厚生(支)局に情報公開請求を行い、その治療実績を調べてきた。しかし、地方厚生局に報告されているデータは、非常におおまかで細かい内訳まではわからなかった。また、胃がん、大腸がん、乳がんなど報告義務のない手術や内視鏡治療に関しては、各病院にアンケート調査を行ってきたが、症例数が多い病院の中にも協力いただけないところがあった。

一方、病院の症例数、専門医数や患者の相談体制など「医療機能情報」は、各都道府県が、ホームページ上で公開してはいる。しかし、病院間の比較ができない県も多い。以前に比べて病院を選ぶための情報は少しずつ増えてきたものの、まだ患者・家族にとって使いやすいものになっていないのが実態なのだ。