民主党の躍進でさまざまな変革が期待されているが、その一つに挙げられているのが「公開会社法」の制定だ。これは上場会社やそれに準じた大企業に適用される特別法で、企業のガバナンスに対する透明性の向上を目的としている。

民主党の「公開会社法プロジェクトチーム」は7月に素案を取りまとめた。
写真を拡大
民主党の「公開会社法プロジェクトチーム」は7月に素案を取りまとめた。

注目されている点は大きく2つ。取締役のうち社外取締役の人数を3分の1以上にすることと、監査役会(または監査委員会)に労働組合等から従業員代表を最低1人入れるというものだ。

前者は、社外取締役の独立性を確保することによって、株主の権利を守ることが目的だ。たとえば、ワンマン社長の独裁など、社内取締役では反対できない状況を、取締役会が食い止めるなどの役割が期待されている。後者も、経営陣に対して第三者が物申す仕組みの一つ。従来、監査役会は取締役会に比べて発言権が弱かったが、「監査役会の役割はぐっと大きくなる」と民主党議員の大久保勉氏は話す。

同法への期待が高まる一方で、経済界からの反発は必至だ。すでに社外取締役登用義務化に関しては、経団連が反対を表明している。

慶応大学商学部教授・菊澤研宗氏は「法律によって一律に直接義務付けるより、ガバナンス規範として策定し、企業に選択・公表させて、その結果を市場に判断させればいいのではないか」と提案する。

公開会社法にはほかにも、子会社の重要資産売却など、重大な意思決定を親会社株主総会で行う制度なども盛り込まれる見込み。制度のみならず、いかに運用するかも重要な課題である。