それでも入りたければ「期間限定」「割安」を

民間の医療保険に加入する場合も、貯蓄を妨げない程度の入り方を考えたいもの。そのためにも、できるだけ保険料の割安な定期型や共済をおすすめする。終身型は一生涯保障が途切れない安心感はあるが、定期型に比べると保険料が割高だ。保障内容も契約当時のものが一生涯続くため、医療制度やインフレなどの社会状況の変化にも対応できない。

民間の医療保険は、保険期間が短く保険料の割安なものを「子どもの教育費がかかる今だけ」「貯蓄が増えるまで」など期間限定で利用したいもの。また、「医療費が高額になる可能性のあるがんに備えてがん保険だけ」などピンポイントで加入するのもいい。

がん保険は、がんと診断されると100万円などまとまったお金が支払われるのが一般的で、入院を伴わない治療でも対応できる。最近は、診断給付金が何度でももらえるタイプの商品も出ているが、支払事由が厳しく支払いにつながらない可能性もある。理解できない商品はトラブルのもとにもなる。

その点、アフラックの「がん保険f(フォルテ)」は、保障内容がシンプルだ。また、がんになった場合に定額の収入保障が受けられるアクサ生命保険のガン収入保障保険もわかりやすく、がん治療の実情に合っている。

とはいえ、保険は何もなければお金はもらえず、元気で長生きした場合は保険料を消費するだけだ。暮らしのさまざまなリスクに対応するためには、現金を持っていることが何よりの自家保険になる。いつまでも保険に頼らずに、医療費を賄える貯蓄ができたら、早めに保険から卒業しよう。 

※すべて雑誌掲載当時 

(早川幸子=構成)