「王将は人が命の会社です」

「王将」の強みを語る鈴木和久専務。
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「王将」の強みを語る鈴木和久専務。

そう語るのは王将フードサービスの鈴木和久専務だ。2010年3月期、同社の売り上げは672億円(前期比22.4%増)で、店舗数は555店(FC191店)、正社員が1701名となっている。

鈴木は社長の大東隆行を支え、また、王将の理論的主柱として、不況に強い王将の体質をつくってきた。

その鈴木がいくつか王将の強さを挙げた後、「他社とは決定的に違う」と言ったのが、アルバイト、パートといった非正規社員が働きやすい職場環境を整備していることだ。現在、同社には正社員を超える数のパート従業員がいるが、うち20年以上も勤めている者が80人いる。

飲食業界は従業員の移り変わりが激しい業界である。そのなかで、正社員ならまだしも、パートが20年以上も勤続しているのは実に稀なことだ。そして、王将はそういったパート従業員に対して、ちゃんと報いている。例えば、同社では正社員もパートも永年勤続の報奨旅行には差別がない。どちらも、10年勤続だったらハワイ旅行(ひとり)。20年では、夫婦でハワイ旅行、30年では夫婦でヨーロッパ旅行となっている。

では、なぜパート従業員は餃子の王将で長く働くのか。その答えを聞くためにひとりのパート従業員にインタビューした。

大谷多美子さんは51歳。勤務先は大阪の堺浜寺店。席数は152席の大型店である。大谷さんには孫もいる。しかし、外見はアイドル系で、とても50代には見えない。20代とは言わないが、30代後半と言っても通用するだろう。

堺浜寺店の営業時間は火曜から日曜は午前11時から翌日の午前3時まで。月曜だけは午前0時までで、休みはない。大谷さんの勤務時間は平日が午前9時から午後4時までで、土日は午前9時から午後9時まで働く。休みはない。本人の弁によれば「子どもが独立して、手がかからなくなったので、思う存分、王将で働いています」という。