ただ、法案成立は今後の政局次第。住宅に関しては現在、住宅ローン控除が最優先課題となっているので、200年住宅が審議の舞台に登場するのはその後になる。内容には民主党も反対しにくいはずだが、成立は流動的だ。

とはいえ、今の時期、長く快適に住める家を考えるという視点は非常に重要だ。昭和50年代までの建売住宅は耐久消費財のひとつとしか考えられておらず、質の問題が多かったが、バブル後、質のいい住宅でないと売れないことを住宅業界は学習。日本の住宅の質は一段向上した。

今もミニバブルが崩壊、住宅業界は生き残り策を模索中だ。ここで消費者がよい住宅を求めているとわかれば、市場がよい方向に向かう可能性がある。

それには購入時に200年住宅と同じような考え方の住宅を選ぶこと。例えばフラット35Sが利用できる物件は、耐久性、耐震性、省エネルギー性などに優れていなければならないので、優良物件への支持を意思表示できる。あるいは一戸建てではまだ少ない性能表示制度を利用する。こうして一人ひとりがいい住宅を選ぶことが日本の住宅全体をよくしていくのである。

(構成=中川寛子)