明治天皇の誕生から戊辰戦争半ばまでの維新の歴史を、原資料からひもといていくノンフィクション。10巻に及ぶ膨大な分量にまず圧倒される。2006年から読み始め、今年正月に読了したときは大きな達成感に包まれた。

後年の私たちは最初から確固たる明治国家が存在したと誤解しがちだが、本書を読むと、新政府はいかに頼りないものだったかがよくわかる。列強による干渉もある中で、薄氷を踏みつつ維新を遂げたという事実に背筋が寒くなる思いだ。維新の日本は天皇の持つカリスマ性で求心力を維持したが、現在のわれわれはどうか。国や企業が経済の大混乱で海図なき航海を強いられているいま、考えさせられることの多い本である。