2008年秋にJリート(上場不動産投資信託)として初めて経営破綻した、ニューシティ・レジデンス投資法人の経営再建に手をあげたのは、米投資ファンドのローンスターだ。

08年5月、実質的には投資ファンドの米スティール・パートナーズに、社長を含む7人の取締役退任に追い込まれた、かつらのアデランスHDが「対スティール」で手を組んだ相手は、国内勢投資ファンド、ユニゾン・キャピタルである。

世界的な金融危機で、投資ファンドも資金調達の厳しさに直面。活動を手控えたり、日本から撤退する外資系ファンドも出ているだけに異例の動きである。

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業界別再編戦国マップ

ローンスターはニューシティ・レジデンスが抱えている負債の返済を含め1200億円を投資、5年程度で再建・再上場させ回収するという。ローンスターは年金基金や大学財団、生保各社などをファンドへの投資家としており、これまで東京スター銀行やパシフィックゴルフグループインターナショナルHDなどの案件を手がけてきた。ユニゾン・キャピタルも、菓子製造の東ハト案件(山崎製パンに売却)などを手がけている。

そもそも、投資ファンドの存在が広く知れ渡るようになったきっかけは、1998年に経営破綻した日本長期信用銀行(現新生銀行)の受け皿に、米系投資ファンドのリップルウッドHD(現RHJインターナショナル)が選定されたこと。長銀破綻の2カ月後には日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)も破綻し、こちらも米系投資ファンド、サーベラス主導で再建・上場された。

RHJは、新生銀行の上場で約1100億円の回収益を実現。2600億円で買収した日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)を、3400億円でソフトバンクに売却するなどして話題を集めた。そのRHJを含め、有利な条件で買収したり、短期に巨額の回収益をあげる手法から、“ハゲタカファンド”などと呼ばれることも多かった。

そのほかゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった米系投資銀行も、多くの投資・回収案件を手がけてきている。

国内勢でこれまで大きな案件を仕上げたのは、野村HD傘下の野村プリンシパル・ファイナンス。野村プリンシパルは、00年に経営破綻した百貨店のそごうと、そごう救済後に苦境に陥った西武百貨店の持ち株会社、ミレニアムリテイリングに500億円出資し、そのミレニアムリテイリングをセブン&アイHDに約1300億円で売却したことで、およそ800億円の投資益を実現している。

ただし、最近の大型成功案件は、三洋電機のパナソニックへの売却くらいのものだろう。

ゴールドマン、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ、三井住友FGの3グループは、三洋電機に出資した3000億円相当の株を、パナソニックに約5670億円で売却することになっている。3グループ合計でおよそ2600億円の利益を得る計算だ。

昨年秋に超硬工具大手のタンガロイ(旧東芝タンガロイ)は、オランダの企業グループの傘下に入ったが、野村プリンシパルの介在案件。金額は明らかになっていないが、野村プリンシパルの投資金額400億円弱を上回っていたようだ。