夫婦仲のよしあしと子供の成績や偏差値は関係があるのだろうか。教育アドバイザーの鳥居りんこさんは「ベテランの塾講師を取材すると、夫婦仲が良くても子供に過干渉気味な親だと子供の成績は伸びづらい。一方、子供は自分と別人格だと割り切って一定の距離を置き、自分自身の人生を歩む親の子供はのびのびと育ち、東大や医学部へ進むこともある」という——。

東大合格の下地には「親子仲や家庭環境」のよさがあった

雑誌『プレジデントFamily 2019年秋号』の特集は「東大生184人『頭のいい子』の育て方」だ。

雑誌『プレジデントFamily 2019年秋号』(プレジデント社)

そのトップ記事には「賢い子が育つ家庭の中身大公開」というタイトルのページがあり、編集部が現役東大生に小学生時代のアンケート調査をした結果が報告されていた。その記事の総括として「東大生の家族像から見えてくること」という記述がある。

それによると「親子(東大生とその親)の仲がいい」→「(子供が)安心して新しいことにチャレンジできる」→「小さな成功体験の積み重ね」→「より自己肯定感が高まる」=「失敗しても立ち直るし、苦手なことも克服できる」とある。東大合格の下地には親子仲や家庭環境のよさがあるということのようだ。

筆者は、このことから「夫婦仲と子供の偏差値」に何らかの関連性があるのではないかと感じた。「家族の会話が多い」「親子の仲がいい」というのが東大生の子供時代であるならば、おそらく夫婦仲もいいのではないかと思ったのだ。

同時に、夫婦仲が悪いと子供の成績にどのような影響を与えるかということも気になる。中学受験で上位校に挑戦するくらいに賢い子でも、「家庭環境で心は折れてやる気を失う」あるいは「大学受験がうまくいかない」などというケースはあるのだろうか。