三井住友銀行社長 國部毅

1954年、東京都生まれ。57歳。76年東京大学経済学部卒業、住友銀行入行。2001年さくら銀行と合併、三井住友銀行が発足。02年財務企画部長、09年専務。4月より現職。

1.出身高校:埼玉県立浦和高校
2.座右の書、好きな本:特になし(好きなジャンルは歴史小説・ミステリ)
3.尊敬する歴史上の人物:特になし
4.座右の銘、好きな言葉:得意淡然、失意泰然。正々堂々
5.健康法・ストレス解消法:スポーツ観戦

「私のモットーは正々堂々。これは4月の部店長会議でもいってあります」

これが三井住友銀行頭取・國部毅の信念である。國部が旧住友銀行に入行したのは、76年。それから國部が頭取に至るまでの間、日本の金融界は歴史に残る大激動の時代であった。

83年に企画部へ配属されて以降、途中2回だけ現場の部店長を務めたほかは、ずっと企画部門を歩いた。経営の中枢近くで、激動の嵐をくぐり抜けてきた。生き残りのため、他行や行政との駆け引きで奇手を弄したこともあったはずである。そして一つの答えにたどりついた。

「課題に真正面から、正々堂々と対応していけば道が開ける」

口調こそ穏やかだが、万感の思いがこもっているように思えてならない。

國部は、経験から学んだ教訓を3つに集約する。1つは「時代の一歩先を読むこと」。2つ目が「動くときは果断に決断すること」。そして3つ目が「常識で判断することの重要性」である。

「日本の不良債権問題もしかり。米国のサブプライムローン問題もしかり。常識的に考えておかしいと思われることは、どこかに歪みがあって、いずれほころびが出る。だから、普通に考え、常識で判断し、普通に行動することが大事だと思います」

日米2つのバブル崩壊を経験してきた、いかにも國部らしい教訓である。

三井住友銀行とその親会社(持ち株会社)である三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、今年度から3ヵ年の新中期経営計画をスタートさせた。SMFGの社長になった宮田孝一と國部の2人が、中心となって練り上げたものだ。その経営目標は「戦略事業領域におけるトップクオリティの実現」と「新たな規制・競争環境に対応した財務体質の実現」である。そして目指す姿は「中長期的には、アジアをマザーマーケットとして、商業銀行業務を軸に発展していく銀行」だ。