【12】「シーンを提案できない」“ただのモノ売り”営業マン

ファミリーマート 加工食品・菓子グループ マネージャー●<strong>永井雄一</strong>
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ファミリーマート 加工食品・菓子グループ マネージャー●永井雄一

ここで、話を消費の最前線に移そう。流通業は直接消費者と向き合う。一方、メーカーは間接的にしか消費者とつながらない。ここに意識のズレが生まれがちだ。ファミリーマートの永井氏が話す。

「われわれが目指すのはファミリーマートらしい売り場の楽しさです。それが他チェーンとの差別化になる。このときメーカーのセールスで差がつくのは、単品の紹介だけで帰るか、それとも売り場展開まで提案できるか。営業担当から“今回はこの商品を中心に据えてこんな売り場展開はどうでしょう”“この商品はこんな使われ方をしています”と、シーンで提案されると興味をそそられ、この人は違うなと一目置きます。ありがちな単品営業は取り残されていくでしょう」

単にモノを売るのではなく、ファミリーマートならではのコトを提案する。モノが売れない時代は営業マンにも“コトづくり”のセンスが求められている。

【13】「現場を見ない」“データ至上主義”の営業マン

では、シーンを提案するにはどうすればいいのか。永井氏が続ける。

「もう一つありがちなのは、いろんなデータを引っ張り出してくる方です。量販店や市場全体のデータを示されても、変化のスピードが違うコンビニではほとんど無意味です。われわれは見た目のひらめきとか、直感的に判断することが多い。そのため、“私はファミリーマートの売り場を50店見ましたが、この商品をここに並べるとこのシーンにすごく合います”と、現場写真などを添えて提案されるとピンとくる。現場をどれだけ見ているか。でも見ていない人が意外と多い。見ても自社の商品を確認する程度。それでは共感を呼ぶ提案はできません」

モノはモノでしかないが、コトは商品と売り場と顧客の関係の中で生まれる。現場でどれだけ顧客目線でシーンを描けるかが問われる。