なぜ、コンサルタントに依頼するのか

クライアントは、なぜコンサルタントに依頼するのか?そこから考えて見ましょう。

会社を発展させたいのです。業務のボトルネックの解消、コスト削減、新サービスの立ち上げ、ある事業の買収、組織活性化……。そういう変化を通じて、クライアントは会社を成長させたいわけです。そのための変化を実現するためにコンサルタントへ依頼するのです。

どう変化するべきなのか、戦略的決定の支援もあるでしょう。戦略に基づいた実行計画策定の支援。さらに実行計画に基づいた実現の支援。こういった内容にコンサルタントは関与します。

ですが、変化の主体となるのは、あくまでクライアントです。コンサルタントはあくまでアドバイザーであり支援者です。ここで、極めて重要な心理的事実があります。

「人は、自分で苦労してたどり着いた答えは強く信じるものである」

変化を進めるには困難が伴います。困難を乗り越えるには、変化を信じることが必要です。

コンサルタントという外部の人間がポっと出した答えを信じてください、と言われても、なかなか100%そういう気持ちにはなりません。すると、将来起こる困難な状況を乗り越えにくくなってしまいます。

だから、コンサルタントは答えを出すのではなく、クライアントが自分自身で答えに到達するのを助けるようにするべきなのです。「答えを提示して終わり」というスタイルのコンサルタントは、クライアントに本当の変化をもたらすことはできないでしょう。「答えを出す」のではなく、「答えに導く」という必要性が理解していただけましたか?