政府が進めてきたたばこ増税は、ここにきて上げ幅が1本3.5円に固まった。一方、JTは、企業防衛の立場から「増税分以上の値上げ」を示唆しており、それを1.5円と仮定すると、おなじみの「セブンスター」1箱が400円にもなる。ボーナス減で懐の寂しいビジネスマンには禁煙や節煙を考える人も多いはずだ。

過去10年間で3回の増税を実施するも、税収は横ばい
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過去10年間で3回の増税を実施するも、税収は横ばい

景気後退で、法人税を中心に大幅な税収減が明らかになったことから、来年度の税制改定では、たばこ税がより重みを増した。現在、たばこ税による収入は2兆円強となっている。厚生労働省は当初、健康増進の狙いも絡め、1本10円の大幅増税を打ち上げていたが、増税をより確実にするため低めに抑えたと見られる。

たばこ増税は、過去10年間に3回行われ、いずれも1本1円の上げ幅だった。しかしこの間、たばこの税収は、ほぼ横ばいに推移してきた。つまり、たばこの担税力は、ほぼ限界に達したといっていい。財務省内には「増税直後は微増になるが、禁煙者も増え、かえって減収になる」という見方がある。

その背景を、JT・IR広報部の森忠彦課長は「20~64歳の成人人口が1998年をピークに減少に転じている。この構造的要因に加え、増税や喫煙規制も強化されており、需要は減り続けてきた。ちなみに、2008年の喫煙者率は約25%、JTの販売数量は1500億本余り」と説明する。

世界保健機関(WHO)は「(たばこ)増税の余地はまだまだある」とするが、自民党税調は「財源あさり」と批判を強めている。