【化学】うちは技術系と営業系で採用している大学の傾向が違っている。技術系に関しては一部大学推薦枠もあり、ある程度大学の割合を決めて採りにいった。東大、東工大、東北大、横浜国立大、私立では早稲田大、慶應大、東京理科大、芝浦工大、旧武蔵工大、日本大ぐらいに限られているね。一番多いのは日大だが、社員全体ではなぜか東京理科大が多いね。営業系の文系に関してはまったく意識せずに採用しているよ。営業は実力主義の世界だし、これはいいと思った学生は大学に関係なく採用している。

【建設】うちも文系は営業職だが、採用数でいえば日大が一番多い。次いで明治大、法政大、専修大が圧倒的に多い。それでもうちは“大東亜帝国”あたりがボーダーラインだ。

【電機】2009年はこれまで採用実績のない県立大、市立大の学生を数人程度新たに採用した。でも2009年は去年までと比べて幅広い大学に声をかけてその中から採ろうという機運はなかった。

【化学】決して中位校以下の学生を採りたくないというわけでもないんだが、採用数が限られているから当然、採用した大学の数も去年よりは減っている。“大東亜帝国”レベルの学生でもいい学生は採りたいのだが、2009年は絞ったために面接前の筆記試験で落ちる学生が多いのも事実だ。

【サービス】うちは従来では、東大、一橋大などの国公立と私立でも早稲田大、慶應大が圧倒的に多かった。昔は学校推薦の枠もあったからどうしてもそういう大学からの採用が多かったのは確かだ。それでも出世競争では、もともと学閥、門閥を排除するというDNAがあり、現場で優秀な人間を経営層として上げていく仕組みを伝統的にとってきたし、それが当社の強みだと思っている。今は“日東駒専”クラスの大学の学生を採用する方向で取り組んでいるところだ。

【電機】気持ちはわかる。うちも採用数が多ければいろんな大学から採るようにしているが、数が少なくなると、相対的に偏差値上位校の比率が高くなってくる。数はともかく外せないのは旧帝大、一期校からの採用だ。うちでいえば、北大、東北大、東大、京大、阪大、神戸大、九大などは毎年必ず採用している。中位校以下の三流校の採用は限界がある。

※すべて雑誌掲載当時

(宇佐見利明=撮影)
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