僕は01年に現役を引退して母校・早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任しました。5年間で3度、全国大学選手権優勝を果たして、古巣のサントリーにプロの監督として復帰したわけです。

就任するにあたって、最初に考えたのは熱いチームを作ること。以前からサントリーには”熱さ”が足りないと感じていたんです。選手が胸を張って「俺たちは日本で一番熱いラグビーチーム」だって言えるチームにしたかったんです。

チームにあるいくつかのキーワードも、そのためです。たとえば、チームスローガンの「ALIVE」。あきらめるな、チームのために頑張れという意味ですが、それまでチームのプライドを表す言葉がなかった。早稲田には「ULTIMATE CLUSH」(徹底的に叩きのめす)というのがあってチームの代名詞にもなっていた。サントリーにもそういうのがほしかったんです。大切なのは、それでチームは変わる、勝てると選手に信じ込ませることです。僕は言葉の力を信じています。言葉には選手の行動を変える力がありますよ。

チームビジョンの「LEADING JAPAN RUGBY」は迷った時に原点に戻れる言葉です。ただ、勝てる、勝ちたいがためにプレーを選択してしまうことがあるけど、それじゃダメだと気づかせてくれる言葉です。

サンゴリアスはどんな相手にも熱い試合をする。そして誰が見ても「そう攻めるんだ」と感心して、時には「そう攻めるか」と驚くようなラグビーを目指しています。

そのために対戦相手は2日間をかけて分析し、対策を選手に落とし込むのに3日かけます。相手チームの癖とかシステムを考えて、毎日修正しながら練習していきます。途中で間違いと気づくこと? ありますよ。選手からの提案の方がよかったりとか。そういう時は、「ごめん、俺が間違っていた」とすぐに切り替えます。いいものはいいんだから、素直に自分の非を認めて前に進んだ方がいいじゃないですか。