山下さんは4人家族。夫は外科医。妻は専業主婦で、買い物はすべてデパート派。ファストファッションを買ったこともなかった。だが不慮の事故で夫の月収が92万円から63万円に激減。さらに都内の私大に通うことになった長女への仕送りが毎月22万円。赤字転落した家計を立て直す方法とは——。
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自動車事故の後遺症で医師の夫の手取り月給が92万円から63万円に

「夫の自動車事故と、長女の大学進学が重なって、家計が一挙に苦しくなりました」

わざわざ北海道から東京の私のオフィスに相談にいらした山下由美さん(仮名・47歳)。来年には次女の大学進学も控え、このままでは赤字が悪化して、せっかく貯めた貯金(1150万円)がなくなってしまうのではと、不安になったそうです。

山下家は、勤務医である夫の稔さん(仮名・51歳)と由美さん、大学1年生の麻衣さん(仮名・19歳)と、高校3年生の芽衣さん(仮名・18歳)の4人家族。

稔さんはベテランの外科医として、これまで多くの難手術を手掛けてきました。ところが、今年の1月、車で外出中に追突事故に遭い、入院。懸命なリハビリを続けたものの、利き腕の右手にしびれと痛みが残り、手術を行うことが難しくなってきました。病院の勤務には復帰したものの、以前は約92万円あった手取り月収が、4月以降、約63万円に減ってしまいました。ボーナスも手取りで年300万程度ありましたが、減額必至です。

さらに、長女の麻衣さんの大学進学で、家計的に大きな誤算がありました。麻衣さんは地元の国立大学が第一志望でしたが、結果的には東京の私立大学に進学することになったのです。東京での家賃や生活費は両親にとって想定外でした。

「100万円を超える学費(年間)はボーナスを充てて何とかしのぎますが、それとは別に家賃と生活費を合わせて毎月20万円仕送りしています。ちょうど夫の給料が毎月30万円も少なくなったところに、この20万円の出費。ダブルパンチでたちまち毎月の家計の赤字は23万円という火の車状態です」(由美さん)