対処方法

業務の効率化はマネジャーにしかできない、と心得なければいけない。上位の立場であればあるほど、それを意識した仕事をするべきだろう。最終的には経営サイドの責任であるといえる。

まずは、部内で現在やっている業務をすべてリストアップしてみてほしい。次にそれぞれの業務の狙いと目的を、その横に書き出してみる。さらに、おのおのの所要時間も書き、最後にその業務の活用度を評価し、書き込んでいく。

これらを踏まえて、各業務の優先順位を決めるのだ。入力などの作業時間に見合った成果があるかどうかという視点で、必要なものと必要でないものに振り分けてゆく。「あれば便利」程度の業務ならもう一度見直す必要がある。これで、業務の数は少なく見ても半分ぐらいになるはずだ。

日報の効率化も同じ手順でできる。日報に記載する項目を全部書き出し、その狙いと活用度を書き、優先順位を決めて、下半分の項目は思い切ってカットする。

この作業により、本当に必要な情報は何なのかもわかってくる。長さとしては、パソコンで入力するなら、大体15分ぐらいでできる内容がベストというのが私たちの考え方だ。長くても30分までが許容範囲で、それ以上かけても、投入した労力に見合った成果はまず期待できないだろう。こういったプロセスを経た結果、そもそも日報は不要であったという結論に至ることもあるので、その場合は週報などに切り替えるとよい。

また日報にかかわらず、部下が上げてくる情報を活用し、売り上げに反映するためには、まずは上がってきた情報を分析する力が必要だということも覚えておきたい。簡潔な言葉の裏側にある顧客の動きや営業マンの置かれた状況を、上司が正しく把握できるような体制をきちんと築けているかどうか。

情報の分析力が弱く、マネジメントができない上司に限って、何でもかんでも逐一情報を上げさせようとして無駄な業務を生む。こういった上司の姿勢こそが、業務の効率化を阻む大きな要因になっていることを肝に銘じるべきだ。

(図表データ=カーナープロダクト調べ)