清涼飲料市場が苦戦している。2009年は、金額ベースで前年比1.6%減の4兆8820億円にとどまった。冷夏気味の天候が影響したことに加え、不況による消費低迷もマイナスに作用したからである。買い控えの傾向は依然として続いており、今年も前年割れが懸念される。

ゼロ系飲料市場の推移
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ゼロ系飲料市場の推移

そうしたなか、唯一増えているのが炭酸飲料だ。とりわけゼロ系飲料と呼ばれる糖分やカロリーをカットした商品である。06年に「ペプシネックス」が発売されたのが最初で、翌07年には「コカ・コーラゼロ」も登場。当時は“ゼロ戦争”と呼ばれ話題になった。その結果は急激な右肩上がりとなり、09年には前年比43.6%増の1340億円にまで拡大してきた。

この春、清涼飲料の市場調査を行った富士経済東京マーケティング本部の園田卓郁主任は「主なユーザーは、これまでも炭酸飲料と缶コーヒーを愛飲してきた30代後半から50代初めの男性層。彼らの健康志向を理由に一気に拡大した。コーラフレーバー飲料だけでなく、昨年は『三ツ矢サイダーオールゼロ』や『C.C.レモンゼロ』なども加わり、実績を伸ばしている」と説明する。

少子高齢化も見据えると清涼飲料市場は、どうしても長期的な減少傾向は避けられない。それだけに業界各社のゼロ系飲料への注力は当然の戦略といっていい。今年もカフェインゼロタイプなどの新商品が続々と投入されており、富士経済が展望するゼロ系飲料の今年の市場規模は前年に比べ36.9%増の1835億円だという。