2月3日、政府は公的資金による民間企業救済の一手として、産業活力再生特別措置法(以下、産業再生法)の改正案を閣議決定した。

じわじわ増加する企業倒産
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じわじわ増加する企業倒産

産業再生法は1999年に施行されたが、もともとは経営不振企業がリストラを経て再建を目指す際に、税制面などの支援措置を与える法律だった。2003年には共同事業再編支援の要素が盛り込まれるなど、たびたび改正されている。

今回の改正案で最も注目されているのは、産業再生法の認定企業に対し、政府が日本政策投資銀行等の民間企業を通じて出資を行う制度だ。出資先が経営破綻した場合、日本政策金融公庫を通じて損失額の5~8割を補填するため、間接的ではあるが公的資金で一般企業の損失をカバーすることになる。

なお、企業再生計画には、収益向上策と併せて「3年後の雇用人数」を明記させる方向で、これには安易な人員削減を抑制する意味合いもある。

同法改正が通常国会で成立すれば、今春には一般企業からの申請受け付けを始める見通しだ。現在すでに対象企業候補として半導体大手のエルピーダメモリや商工ローン大手のロプロ(旧日栄)などの名が挙がっているが、出資先の選定方法はまだ明確にされておらず、今後も議論が続く見通しだ。出資先が倒産した場合の損失補填枠は、既存の低利融資制度分として計上されていた1兆5000億円の一部とされる。しかし倒産企業が増えた場合、税金投入の可能性もあるだけに、出資先選定にあたっては、規模だけでなく、競争力も吟味する必要があるだろう。