中学受験では親のサポートが重要だ。だが親が熱心であれば、子供の成績が上がるとは限らない。第一志望の桜蔭に見事合格したHさんには、2人の兄がいるが、母親は「息子たちの受験では苦い経験がある」と振り返る。3人きょうだいの受験エピソードを紹介しよう――。
プレジデントFamily2019夏号」にも、本欄・中学受験部メルマガと同じような受験ストーリーが掲載されている。

難関校出身の父親が息子2人に母校をむりくり受験させたが……

今回は、女子中高一貫校の名門・桜蔭に通うHさん(現中学2年、13歳)と、その家族の中学受験ストーリーだ。「合格」の立役者は、40代後半の母親である。

母親自身は中学受験をしていないが、夫は神奈川県の難関私立・栄光出身で、何かにつけて熱く「栄光愛」を語っていた。「先生もすばらしい方ばかりだったし、友達も最高だった!」とうれしそうに話す夫を見ていると、うらやましい気持ちになったと言う。

「私は地方の公立中学出身なんですが、当時の公立中学っていろいろ不条理がまかり通るようなところってありましたよね。謎の校則があったり、先生の言うことが絶対だったり。私にとって中学時代は暗黒の時代なんです」

栄光を選び、今でも母校の存在が自分の「核」になっている夫を見ていると、自分にも中学受験という選択肢があったらな……という思いがあり、それが娘を含む3人の子供たちの中学受験を後押しことにつながったという。

Hさんには2人の兄がいる。現在、大学院生の長男と大学生の次男だ。母親によれば息子2人の場合、「中学受験させてやりたい」という気持ち以前に「彼らには受験は必須だった」と話す。

「息子たちはいわゆる内申点が期待できないタイプなんです。お恥ずかしい話、遅刻はするわ、提出物は出さないわ……。よく言えば自由なタイプと言いますか。公立高校の受験は内申点も比重が高いので、公立中学に進んで高校受験をさせるのは危ないな、と。でも娘はやるべきことは普通にやれる子なので、高校受験でもいいかなと思っていたんです」

そうしたいきさつで息子は中学受験することになったが、この経験が、のちにHさんの中学受験時に大きな影響を与えることになる。

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