私は、「社長、実は……」と言われたら、最初から覚悟して聞きます。いちいち驚いていたら平常心を保てません。毎日そういうことが起こるのが運命だと割り切っています。社員からのメールもバンバン来ます。タイトルを見て、大事なメールは早めに返事をします。それ以外は、1時間ほどの空き時間ができたときに、秘書室に言って、社長室のドアをクローズして返事を書きます。日曜日にも書きます。ある時間に集中してやるほうが、次の案件に頭を切りかえやすいからです。

土曜日は経営会議があります。組織内部の根深い問題の場合、「もっと時間をかけてゆっくり話したい」という社員が月に3、4人は出てきます。それは土曜日の夜に徹底的にやります。4、5人を相手に口角沫を飛ばして議論します。私は黙って話を聞くだけというのが嫌いな人間ですから、激論になります。

だから、私の自由になる時間は朝の通勤の車の中だけです。1時間10分から20分ほどの時間ですが、この時間帯は絶対に携帯電話を使いません。集中して半期先、1年先のことを考えています。

ファミリーマートに来る前は、伊藤忠商事で畜産畑一筋できました。ハムメーカーや問屋、畜産業の会社にも出向しましたが、商社とコンビニエンスストアのフランチャイズチェーン(FC)本部では、時間の使い方や時間の意味が違うと実感しています。

商社の仕事は、顧客、つまり取引先が見えています。国内のメーカーや問屋、販売店、海外のサプライヤーです。相手が見えるので、戦略を練り、手順を踏み、時間を調整しながら交渉し、取引に持ち込んでいきます。お付き合いを深めるために、これはと思う方と早朝まで飲むことも多くありました。