お笑い芸人の野性爆弾・くっきーさんが、ニューヨークで行われた世界最大級の美術イベントで「最も注目する5人」に選ばれた。くっきーさんが創作でこだわるのは「誰の影響も受けていない」ことだ。創作活動の現場からニューヨークでの日々までを追った――。
野性爆弾のくっきーさん(画像提供=毎日放送)

美術マーケットで「最も注目する5人」に選ばれた

お笑い芸人の野性爆弾・くっきーさんが、この春ニューヨークで開かれた世界最大級の美術マーケット「Artexpo New York」で、“最も注目する5人”に選ばれる快挙を果たした。アーティスト名は「肉糞太郎」。

下積み時代を含め、くっきーさんはネタ作りからコントの小道具まで全て自作をしていた。その流れで絵を描いたり音楽を作ったりと、興味の向くままに創作を手がけてきた。作品はいつしかアートとして注目されるようになり、現在では独特な世界観にはまる人が続出。油性ペンとアクリル絵の具を使った作品は全て独学で、時には自分の顔面をキャンバスにして国内外の有名人の顔をまねた“似ていないようで似ている”大型のアート作品なども手掛けている。

4月21日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」では、くっきーさんがお笑い芸人としての仕事の傍らで創作活動を続ける姿や、有名バイヤーや批評家など世界の目利きが集まるアート最前線でアーティストとして突破口を切り開いていく姿を追った。

「周りの反応を気にせずやってきた」

一度見たら忘れらない顔、今や人気絶頂で「2018年上半期もっともブレイクした芸人」にも輝いた野性爆弾・くっきーさん。その強烈な個性と豊かな表現力はドラマでもひときわ輝き、一方で「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音さんがプロデュースするバンドでの音楽活動も話題となっている。

さらに、このところにわかに注目を浴びているのが、独特な感性を存分に発揮した「アーティスト」としての顔だ。作品展「くっきーランド」は全国で約15万人を集め、お隣、中国でも若い世代を中心に人気を博している。

【客】「グロいけどかわいい!」

【客】「なんか癒やされる……」

会場では、もはやアイドル並みの人気ぶり。作品はもとより、くっきーさん自体を「かわいい」と愛してやまない。

芸歴25年。相方ロッシーさんと「野性爆弾」を結成し、関西を中心に人気を集めてきたが、ブレイクする前も後もやっていることは何ら変わらない。お笑い芸人として舞台に立つ際は演出、音楽、主演のすべてを担っている。

この日の舞台、「ルミネtheよしもと」には、赤のストライプのシャツに黒の革ジャン、短パンスタイルで登場。本人が設定した“笑いのネタ”はやや独創的なため、「わかる人にしかわからない」というが、一度好きになった人には、それがたまらないらしい。

当の本人は、「お笑いも周りの反応を気にせずやってきた。(賛否は)どっちでもいいかな」とあくまでマイペースだ。