「誰が真の顧客か」好奇心をもって探り続ける

現在のように変化が激しく複雑な社会においては、「私たちの事業にとって、誰が重要な顧客なのか」「その顧客にどんな価値を提供していくべきなのか」ということは、常に変化していく。前回の接客のあり方が、今回も適切だとは言い切れないのだ。こうした状況で生き残れる事業体になる近道は、現場スタッフ一人ひとりが、「誰が真の顧客か」「何が真の顧客価値か」を、自律的に好奇心をもって探り続ける、変化学習力を身につけることではないだろうか。「すきま時間プログラム」は、そうした変化学習力を身につけ、実践できるようになるメソッドであり、どんなに忙しい現場であっても始められる最初のきっかけを提供するものである。

今回は特に2種類のワークシートに絞って話題を展開したが、プログラムをどうメンバーに説明するか、どんなメンバーを選定するか、実践においてマネジャーが果たすべき役割など、今回は言及できなかったポイントも押さえると、「すきま時間プログラム」はより効果を発揮しやすくなる。プログラムに興味をもち、実践してみたいという読者には、拙著『顧客創造「1日15分メモ」』(プレジデント社)や、「すきま時間プログラム」Webサイト(http://www.wldlabs.jp/)にも目を通されることをお勧めしたい。

(構成=五嶋正風)