老後に困らないベストな選択肢はなにか。各分野のプロフェッショナルに「より賢い選択肢」を聞いた。第9回は「健康オタクvs.のんべえヘビースモーカー 寿命への影響は?」――。(全11回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年11月12日号)の掲載記事を再編集したものです

年をとれば血圧が高くなるのは当たり前

サプリを飲んだりジム通いをしたり、健康によいとされることにはお金を惜しまない「健康オタク」がいる一方で、大酒を飲みタバコをふかし、「禁煙するぐらいなら早死にする」と豪語する人たちもいる。前者と後者の寿命の差は、さぞや大きく開くと思うでしょう。しかし「最終的にはそれほど変わらない」というのが私の実感です。

まず、マスコミは「人生100年時代」なんてことを言いますが、これは大ウソで、実際は男は81歳、女は87歳あたりで人生が終わります。100歳を超えた人は約6万8000人にすぎません。介護を受けず自力で日常生活を送れる「健康寿命」はさらに短くなります。そもそも「人生100年時代」などと言い出したのは誰でしょうか? 政府です。そう言っておけば、みんな年金を納めるようになると考えたのでしょう。