管理組合の実情はマンションの資産価値や住みよさを左右する

管理組合は住戸の持ち主(区分所有者)による団体だ。町内会のような任意参加ではなく、区分所有法で加入が義務づけられた団体であるため、分譲マンションの住戸を買えば誰でも必ず管理組合のメンバーになる。

管理組合の実質的な運営は、理事会を中心に行われる。物事を決めるのは総会だが、総会で決まったことや実情に応じてさまざまなことを理事会が実行するのだ。また、管理問題に取り組んで方針を決めるのは管理組合だが、その実行に伴う実務を引き受けるのは管理会社である。

管理組合がきちんと機能しているマンションであれば管理が行き届いて、資産価値もそれなりに維持されているといえよう。当然、不動産としての評価額にも、管理状況が反映することになる。

管理組合の仕事の中で大事なものは建物の修繕工事である。建物は年月の経過によって劣化するが、適切な修繕工事を行えば住みやすさや資産価値を維持できる。共有財産は区分所有者自身が組織レベルで維持していくというのが、区分所有法の考え方なのだ。

では、マンションを買う前に管理組合の様子を確かめるときのポイントは何だろうか。新築マンションであれば、売れ残りの多い物件は避けたほうがいいだろう。空き住戸が多いと管理組合が実質的に機能しにくいからだ。

中古マンションは管理組合がすでに活動できる状態になっているので、よりわかりやすい。ただし、管理組合の実情は、理事会次第で決まる点を考えておく必要がある。理事会が望ましい状態で活動していないケースも少なくないからだ。理事会がきちんと活動していないと大規模修繕工事などが先送りされるケースもなくはない。

大規模修繕工事が先送りされたマンションは、老朽化が進んで外壁の色あせやヒビ割れ、あるいは金属部分のサビが目立つようになる。ゆえに、中古物件の場合は、建物の外観自体で管理の様子をある程度まで確かめることができる。

外観という点では、建物の顔となる玄関ホールが汚れていたり、ゴミ置き場が散らかっているような物件も要注意である。清掃だけでなく、居住者のモラルの低さや管理組合活動の停滞が想像されることもあるからだ。