堀江貴文

1972年、福岡県生まれ。96年、東京大学在学中にインターネット事業を始める。2004年、株式会社ライブドアに社名変更。05年、ニッポン放送株式を40%以上取得、筆頭株主に。06年1月、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕され、一審で懲役2年6月の実刑判決を受ける(控訴は棄却)。現在上告中。有料メルマガ「堀江貴文のブログでは言えない話」は、購読者数1万2000人超。宇宙ビジネスを論じた『宇宙論』(講談社)を近く刊行予定。※雑誌掲載当時


 

1年365日のうち340日は外食ですね。家で作ってもいろいろなものが食べられないし、余っちゃうのが一番嫌なので。行く店はジャンルを問わず、美味しければいい。雰囲気も値段も気にしないですね。今回の「あそこ」も「亀吉」も味で選んだ店です。

約1年前に始めた有料メルマガでも、行った店を毎週紹介しています。ただ、リーズナブルな店を紹介すると、自分が行けなくなるんですよ。たとえば、北海道に「SHIRO」っていうワインも揃っていて、クオリティの高い焼き鳥屋さんがあるんですけど、紹介したらすぐに予約がとれなくなっちゃいましたからね。でも、値段が少し高い店はそうでもないんです。「あそこ」なんかは、やや高めなので大丈夫かな。

メルマガは、前月対比で確実に伸びています。購読者数は1万ちょっとくらい。今は個人の時代だと思っているんです。メルマガを出す頃、電子出版のこととかいろいろ考えて、僕は、これからはパーソナルメディアの時代だと言い始めた。バイネームでその人のキュレーション(情報の目利き)みたいなものにみんなが信頼を置いて、ポートフォリオしていく時代。つまり、これまではおまかせしかなかった料理屋さんが、アラカルトを始めて客が自分で選べるようになったというね。

今までのメディアは、おまかせ料理なわけですよね。悪く言えば、お仕着せ。でも、たとえば、この手元の「プレジデント」に出ている茂木健一郎さんとか田原総一朗さんとか竹中平蔵さんとかは、もう、ツイッターやブログで直接アクセスできるし、そこで彼らの考え方も知ることができる。だいたい書いてあることとか言っていることとか同じだから。

個人はこれ以上分けることができないですよね。個人は代えが利かないじゃないですか。そうなると、精緻なマーケティングなんかも意味があるのかという気がするんですよね。みんな、合わせてほしいわけではないのではという。むしろ自分たちを導いてほしいんじゃないかな。

今の僕の最大の関心事は、宇宙ロケットを飛ばすこと。人工衛星や人間が宇宙に格安で行けるように、インフラをつくっているんです。インターネットで言えば、光ファイバーを敷いたり、サーバーの技術開発をするのと一緒で、宇宙のシステムインフラをつくっているんです。

それこそ数百万円でロケットが打ち上げられるようになったら、金属ボールを詰めた釜みたいなのを打ち上げて、誕生日祝いに人工流星を降らせるなんて人もいるかもしれない。ネットが社会システムを変えたように、僕らが思いもしないようなアイデアが必ずどんどん出てきますよ。今は、そのために北海道で打ち上げ実験を繰り返す日々なんです。