大学生の頃、最初に全集を買ったのが批評家・小林秀雄のものです。日本を代表する知性ですが、この作品を著した晩年は、平易な表現で深い内容を語っています。

なかでも印象的なのは、批評というのは、好きなものを見つけて褒める特殊な技術である、という主張です。欠点を論評するのではなく、好きになったものを突き詰めて考えることが大事なのだ、と彼は説いています。

欠点ではなく良い点を見つけて伸ばすことは、経営でも非常に重要です。以前から私が大切にしている考え方ですが、今回読み返して、この本にその原点があったことを発見しました。文学と経営は別のものですが、その要諦には通じるところがある、と改めて感じています。