11年前、政府はe-Japan戦略で2010年までに国内労働人口の2割のテレワーク(ITを活用した、時間や場所にとらわれない働き方)を目標に掲げたものの、思うようには進まなかった。しかしNTTデータ経営研究所が今年6月に行った調査では、東日本大震災を境に、テレワークを実施する企業は徐々に増加。震災前の13.8%から震災後は20.0%になった。とりわけ、外資系企業の実施率が高く45.0%と日系企業の13.1%を大きく上回っている。

テレワークの実施状況(資本別)
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テレワークの実施状況(資本別)

調査を担当した同社シニアスペシャリストの小豆川裕子さんは「政府調査でもここ2、3年は減り気味でした。それが夏場の節電対策や、今後の災害時への備えといった観点から流れが変わった。調査でも、柔軟なワークスタイルの導入の必要性を感じるという答えは5割を超えます」と説明する。

とはいえ、テレワークの普及が進まないのはなぜか。小豆川さんは「主なものとしては、施策費用の確保や情報漏洩リスク、業務プロセスを管理できないというマネジメント上の問題が挙げられます。特に費用と情報漏洩への懸念は7割近くに達します」と話しており、今後導入を目指す企業の当面の課題といっていい。

これまでテレワークは、どちらかというと女性や高齢者の働く場の確保や都市部への人口集中の緩和といった社会課題対応の側面が強かった。これだけでは導入のインセンティブになりにくかったが、ここにきて緊急時における業務の維持、営業効率の向上など経営上のメリットが理解され、今後に向けて追い風になりそうだ。