世界で最もよく知られたネットワーク術

「いざ転職」という状況になってから人脈に目がいく人は多いが、そうなる前にネットワークを築いておくほうがよい。

名刺を集めたり、交流会に参加すれば知人は増えるかもしれないが、彼らが将来、力になってくれる可能性が高まるわけではない。人脈をうまく利用するためには、自分のネットワークをいざというときに役立てるにはどうすればよいか、また自分自身が人のために何ができるか知っておかなくてならない。

最もよく知られる人脈づくりのコツは、「自分が他人に手助けを申し出れば、後でお返しをしてくれる」ということだ。

「新しい知人ができたら必ず、『何かお困りのことはありませんか』と聞いてみるべきだ」と『NETWORKING LIKE A PRO: TURNING CONTACTS INTO CONNECTIONS』の主著者で、グローバルなネットワーク組織、BNIインターナショナルの会長であるアイヴァン・マイズナー博士は言う。「そうすれば、あなたが力になれる人物と知り合うことがあるかもしれない。それが始まりなのだ」。

マイズナーはクライアントに対し、信頼を得ることに力を入れるよう説いている。信頼とは人が約束を守るとき、約束したことを実行するとき、発言が事実であることを実証するとき、さらにはサービスを提供するときなどに築かれると彼は言う。

「期待に応えないと、せっかく芽を出しかけた関係を、地表に頭を出す前にダメにすることがある」と忠告する。

上手な人脈づくりは未来を明るくしてくれる。ゆえにマイズナーは、人との関係を長い目で考えるべきだと言う。

「当面の売り上げをあげることに集中するあまり、長期的な信頼の大切さを忘れていては、『その日暮らし』しかできない」

自分の存在を知ってもらい、信頼されることに力を入れよう。長く続く関係のほうが双方にとって大きな利益になる。『Breakthrough Networking: Building Relationships That Last』の著者、リリアン・ビョルセスは、クライアントに対し、自分から積極的に情報を発信するよう勧めている。

「私が勧めるフォロー方法のひとつは、相手と交わした会話に関連ある記事や写真、逸話や売り込みのコツなどの情報をメールで送ることだ」と言う。

一見、重要でなさそうな約束や何気ない会話の中での言葉を実行することは、信頼できる製品を届けることに負けず劣らず、成功に欠かせないことだ。