私の手がけたプロジェクトが大成功とみなされ、3段階昇進して部長になりました。しかし、私にはこの仕事をやっていくだけの経験も知識もありません。どうすればよいでしょう。匿名希望(コネティカット州)


 

昇進は諸刃の剣であり、喜ばしくも恐ろしいことです。心のこもったお祝いの言葉をかけてくれる人たちに微笑みで応えるものの、内心は決して浮き浮きした気分にはなれません。

初めてマネジャーのポストに就いたのであれ、CEOに就任したのであれ、それは同じです。自分にかけられた大きな期待に比べて、あまりに無知な自分がいかに頼りないかを本当にわかっているのは当人だけです。

そんな状況においても、リーダーたるもの、リーダーらしく振る舞わなくてはなりません。しかし、リーダーであることは質問をしてはいけないということではないのです。優れたリーダーは当然飽くことを知らない学習者であり、アイデアや知見を求めてあらゆるレベルの人に貪欲に質問します。優れたリーダーは関係を築くことにも貪欲で、仕事の肝心な点に自分の目を開かせてくれる社内のすべての人と知り合う努力を惜しみません。

もちろん誰だって無知だと思われたくはないでしょうが、あなたがこれまで成功してきているのですから、その心配はないはずです。むしろ、新しい仕事のすべてを貪欲に学ぼうとしているところを部下に見せてください。そうすれば、あなたの権威は失墜するどころか、逆に強化されるはずです。

新しくリーダーになった人のほとんどが、あなたのような不安を抱えています。たとえば南部の小さな州の知事が、核の発射ボタンを握る大統領の地位に上ったときも、同じように不安なのです。新しいことを任されるということは、過去に何を達成していようと、ゲームを1からやり直すということなのですから。

おそらくあなたはいま、「私が小さなプロジェクトを1つ成功させただけだということに部下たちはいつ気づくのだろう」と、びくびくしておられることでしょう。ミーティングに出席して、製品や顧客についての速射砲のような会話を聞くと、まるでウルドゥー語で語られているように感じられるでしょう。今期のキャッシュフローさえまだ把握していないのに、次の四半期の成果について上司から電子メールが送られてきているでしょう。

自分に「準備中」の札を貼りたくなるかもしれませんが、それはできない相談です。今日のビジネスはあまりにも変化が速く、あまりにも変数が多いため、どれほどベテランのマネジャーでも、持続的な安心感を持つことはできないのです。実際、今日のリーダーは、常に不安感を抱えたまま生きていく能力を備えていなくてはなりません。

とにかくいまは、逃げないで、不安な気持ちとうまく折り合いをつけてください。ちょっとした不安を感じていることは、むしろあなたにとっても会社にとってもよいことです。自信過剰が惰性につながることは誰でも知っています。その逆は、新しいアイデアやよりよいやり方を求め続ける貪欲さであり、これこそが人を勝利のために死に物狂いで戦わせるものなのです。