2010年10月2日(土)

妻の女心をくすぐる効果絶大のアイテム

「シラケ夫と不機嫌女房」の処方箋

プレジデントフィフティプラス 2009年10月23日号

著者
蟹瀬 誠一 かにせ・せいいち
国際ジャーナリスト

蟹瀬 誠一

1950年生まれ。外国通信社記者、報道キャスターなどを経て、2008年、明治大学国際日本学部長に就任。妻の令子さんはスキンケアブランド「レナジャポン」社長。

国際ジャーナリスト 蟹瀬 誠一 構成=山形朋子

若い頃はいつだって2人で向き合ってラブラブでいられたけど、50歳も過ぎるとあらためて向き合うのは、どうにも照れくさい。正直、「記念日」さえも面倒くさいなあなんて感じてしまうものです。

「結婚生活は長い会話である」。ドイツの哲学者、ニーチェがこんな言葉を残しています。僕も27歳で結婚して30年以上が経つけれど、結局のところ結婚って、2人の人間が一生かけて会話を続けていくものなのだ、と実感しますよ。

とはいえ、会話をし続けるのは想像以上に大変。だから、子供や趣味など、会話のための話題が必要になってくる。でも、本当に必要なのは夫婦でお互いの関係を深めたり、お互いの存在を高める努力です。そのために、僕自身は夫婦にとっての記念日を大切にしています。

たとえば、妻の誕生日には毎年、年齢の数だけ花をプレゼントしていました。でも、花の効力は40代まで。最後には「また花なの?」と言われてしまいました(笑)。それからは手書きのバースデー・カードを贈ったり、僕が息子と娘にも声をかけてパーティーを開くこともしています。子供たちはもう独立していますが、妻の誕生日パーティーには毎年必ず家族全員が顔を揃えます。妻にとっては、それが一番嬉しいんじゃないかな。

やはり、長い結婚生活だからこそ節目というのは大事にするべきだと思う。たとえば、結婚25周年の銀婚式。このときはいろいろと企画を考えましたよ。思いついたのが東京・白金のプラチナ通りに面したイタリアンレストランでのディナー。銀よりもちょっとランクが上のプラチナでお祝いを、と。このときは夫婦2人きりでお祝いをしました。そして、ティファニーのアクセサリーをプレゼント。そんなに高価なものではないですよ。

プレゼントを贈っていて気づいたことですが、妻は決して高価なものは求めていない。妻自身、大事なのは“気持ち”と言ってくれています。わが家同様、多くの家庭ではお財布は一つでしょ?

当然、夫婦どちらかがお金を使えば、お財布の中身は減っていく。そのあたりは女性ってとてもシビアです。

少し豪華なものを贈り合うなら、僕の場合はバレンタインデーですね。日本では、女性が好きな人にチョコレートを贈って告白する日になっていますが、本来は恋人同士がプレゼントやカードを贈り合う日なのです。わが家ではお揃いの時計を交換し合ったりしています。もちろん、毎回豪華なものということはなく、僕から妻にアクセサリーを、妻から僕にはネクタイをと、お互いが身につけていられるものをプレゼントすることが多いかな。

実際に聞いてみると、贈り物をし合っている夫婦って意外に少ないんですね。日本には古くからお中元やお歳暮という、ギフトをやりとりする習慣が根付いているにもかかわらず、夫婦間で贈り合うのは極端に少ない。贈り物は日頃の感謝を形で表すためのものだから、もっと積極的に考えてもいいと思います。「別にいらないよ」と言われても、プレゼントをもらって嬉しくない人はいないはずですから。

プレゼントは、相手が欲しいと思っていたものを探り当てたときにこそ、効果を発揮するものだと思います。たとえば今年の僕の誕生日。妻からもらったのが財布でした。僕はあまりモノにこだわらない性格で、財布もボロボロになるまで使い続けます。そろそろ買い替えたいなとは思っていても、買えば2万円、3万円する。そうすると、もう少し使えるかな、なんて思うわけ。妻は察知してくれていたのでしょう。さすがだと思いました。

正直、毎日顔を合わせているとはいえ、妻が日常考えていることや日々の変化にまで思い至るというのは難しい。そんなとき、僕は娘に助け舟を出してもらいます。女同士ということもあってか、妻が最近興味を持っていることなど娘のほうが意外に知っている。

やはり、リサーチ力は重要です。相手のことを知るために、自分で観察する、周囲に聞くなどリサーチしたうえで実行する。それでうまくいくことがほとんどです。

PickUp