「地方から『風』を起こせ」と説く新著『政権奪取論』(朝日新書)が話題の橋下徹氏に読者から質問が届いた。「霞が関の役人ですが、地方の首長になって『風』を起こしたいと思います。地盤も看板もないので、自民党に力を借りるか、自分で地域政党を作るか迷っています。どうすればいいですか?」。橋下氏はどう答えるか。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(9月25日配信)より、抜粋記事をお届けします――。

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友人、知人の手伝いだけでは選挙を戦えない

「『風』は地方から起こせ」を実践しようとする意気込みは素晴らしい。ではそれをどう実現するか。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/oatawa)

普通に考えると自民党の推薦をもらうことでしょう。

各地方議会では、やはり自民党が強い。首長に当選した後も、議会の協力を得なければ政策を進めることができませんからね。ただしお金までは面倒を見てくれないので、自分で用意するしかありません。あなたがよほどの実力者で、自民党の方から是非出馬して欲しいと懇願される立場であれば、自民党にお金の面倒を見てくれるように頼むこともできるかもしれません。

普通は逆に、自民党にお金を渡さなければなりません。これは違法なお金のやり取りではなく、自民党への適法な献金です。このお金は、あなたを応援するための活動費として自民党議員に配られます。

僕も大阪府知事選挙のときには、自民党から選挙期間中に2000万円の寄付を求められ、そこは交渉して半額にし、1000万円を寄付しましたよ(笑)。これは公職選挙法違反なのかどうなのか、極めてグレーと言えばグレーですが、適法ではあります。

今の選挙制度で大変なことはポスター貼りやビラ配布、そしてミニ集会の設定などです。とにかく人手が必要です。こんなのITをフル活用すれば、人手なんていらなくなるのに、古い政治家は若手政治家の参入を阻むために、IT化を進めません。旧来通りの人手のかかる選挙制度を維持します。

今の選挙制度で選挙をやろうと思えば、友人、知人の応援だけではなかなか難しい。僕の大阪府知事選挙のときにも、中学、高校の同級生が多く手伝ってくれました。これは本当に助かった。みんな自分事のように、朝から晩まで手伝ってくれました。仕事も休んでくれたりして。

だけどどうしても、プロの仕切り役も必要なんですよね。街頭演説、ポスター貼り、ビラ配り、ミニ集会などの段取りは、経験者の知恵が必要となります。その段取りの中で、集まった運動員たちが運動します。ちょうど指揮官と兵隊の関係かな。

選挙を経験したことのない人が、いきなり「指揮官」になるのは難しい。ただ経験を積めば指揮官になれるので、僕の選挙や維新の選挙をずっと手伝ってくれた人の中には、その辺の選挙コンサルタントよりもよっぽど役に立つ人がたくさんいます。

あなたがいきなり選挙に出るとして、この指揮官をどうするか、ですね。ここは自民党にある程度任せる方が効率的です。