最近、テレビをつけると金融恐慌のニュースばかり、書店で幅をきかせているのはサブプライムや株価暴落、円高対策など、あまり明るくないテーマの本ばかりだ。先行きが不安な今だから、文化的な雑誌を見て旅に出たり、何か買おうという気にもなれない。そんなとき、書店の祝ノーベル賞受賞の宣伝ポップが目についた。素粒子研究といわれてもピンとこないが宇宙誕生の謎に迫るの文字に何となくロマンと救いを見出した。

書店にずらりと並ぶ「宇宙本」。宇宙旅行から、5次元の世界まで、タイトルを眺めるだけでも想像力をかきたてられるテーマばかりだ。

書店にずらりと並ぶ「宇宙本」。宇宙旅行から、5次元の世界まで、タイトルを眺めるだけでも想像力をかきたてられるテーマばかりだ。

周りには宇宙関係の本が並んでいる。なかでも脚光を浴びているのが今、物理学会の注目を集めている5次元もの。宇宙は我々が実感できる3次元プラス時間という構成ではなく、さらなる次元が存在するという説に基づくものだ。宇宙飛行士の若田光一と物理学者であるリサ・ランドールの共著、『異次元は存在する』(日本放送出版協会)などが好評だという。

宇宙旅行のガイドブックまである。『宇宙の歩き方』――表題やデザインからもわかる通り、旅行ガイドブックの名シリーズ『地球の歩き方』をもじったものだろう。国際宇宙船での過ごし方から地上での訓練、ツアーの体験談まで掲載されている。「発行部数は2万を超えています。夏はよく売れますね」と話すのはランダムハウス講談社・営業部の花岡則江さん。

宇宙本を集めたフェアを行っている三省堂そごう心斎橋店の鶴岡寛子さんに売れ筋本を聞いてみた。「『宇宙300の大疑問』(ブルーバックス)、『ホーキング、未来を語る』(SB文庫)がよく売れている。冬は天体観測にぴったりの季節、宇宙の写真集でも手にとって癒やされてくださいね」。

宇宙本を眺めていると、小生も無邪気な少年の頃に戻れたような気がしてきた。