20年ぶりにフルモデルチェンジしたスズキの小型SUV「ジムニー」が大人気だ。メーカーの予想を超える注文が入っており、納車までに半年から1年かかる状況だという。人気の理由について、自動車研究家の山本シンヤ氏は「コンパクトボディで高機能という伝統のプロスペックを誰でも気軽に扱えるようになったからだ」と分析する――。

“納車1年待ち”の熱狂で受け入れられた新型ジムニー

昨今、「クロスオーバーSUV」の人気がウナギ上りである。元々はニッチなカテゴリーだったが、今では“世界戦略車”として各メーカーの重要なモデルへと成長。世界の主要メーカーは大中小のさまざまなモデルを出している。

そんな中、スズキが7月5日に発表・発売した軽自動車SUV「ジムニー」と小型SUV「ジムニーシエラ」が話題を集めている。メーカーの予想をはるかに超える注文があり、現在の納期は半年から1年待ちだという。ジムニーシリーズのフルモデルチェンジは20年ぶりだが、ユーザーをここまで熱狂させる要因はどこにあるのか。

20年ぶりにフルモデルチェンジしたスズキの軽自動車SUV「ジムニー」(右)と小型SUV「ジムニーシエラ」(左)

新型ジムニーシリーズのチーフエンジニア・米澤宏之氏は開発のコンセプトについてこう語る。

「継承すべき点、進化させるべき点を明確にしました。継承したのは『ジムニーでなければダメ』という性能、つまりオフロード性能は絶対に変えないこと。一方、進化させたのは『オンロード性能』と『安全性能』、そして『使い勝手』になります」

ジムニー伝統の「コンパクトなボディサイズ」、「FRレイアウト」、「ラダーフレーム」、「前後リジットアクスル式サスペンション」、「副変速機付パートタイム4WD」と言う基本構造はそのままにすべてを刷新。自動車メーカーの中でもコストに最も厳しいと言われるスズキだが、ジムニーのモデルサイクルは約20年。未来を見据えた投資と言うわけだ。

オフロード性能は従来モデル同様、オンロードでの快適性は向上

筆者が試乗したところ、オフロードは「道なき道を苦も無く走れる」と言った性能は従来モデルと変わらないものの、新たに採用されたブレーキLSDトラクションコントロール、ヒルディセントコントロール、ヒルホールドコントロールなどの制御技術により、その機動性の高さを「誰でも」「安心して」体感できるようになった。