晴れの国おかやま、そこで起きた大豪雨

死者225人、避難者7000人を超える惨事となった西日本豪雨。この災害で深刻な被害を受けた地域の1つが岡山県倉敷市の真備地区だ。2018年8月3日現在で、同地区では約350人の住民が小学校などで避難生活をしている。

真備地区の新しそうな住宅の目の前に大量のゴミが積まれている。

岡山県といえば、全国的に降雨量が少なく、日照時間の長い瀬戸内地方に位置する。事実、岡山県のホームページには「大好き! 晴れの国おかやま」を掲げる特設ホームページが存在し、そこでは年間の降水量1ミリ未満の日数が全国1位であることを堂々とアピールしており、日照時間が長い岡山県への移住のメリットが説かれている。

しかし、こうした地域のイメージアップを狙ったピーアールは今回の災害で大きく覆ることになってしまった。結果として、自然災害発生時における、防災(減災)の取り組みが軽視されていたということはないだろうか。

同県でもっとも甚大な被害を受けた倉敷市真備地区などの物件を取り扱う不動産業の男性Aさんに、今回の被災地域が決して「晴れの国」ゆえに安全な場所とは言い切れなかった事情を聞いた。なお、Aさん自身も今回の豪雨被害で店舗が浸水被害に遭い、避難を余儀なくされた。

「もともと、この地域は旧倉敷市北部に位置する吉備郡真備町という町でした。それが政令指定都市を目指して倉敷市と合併したのが2005年のことです。そのため、倉敷市といえども、真備地区の土地価格の相場は隣の総社市よりも半値に近いほど安く、一番高いところでも坪単価は15万~16万円程度と、かなりお買い得な場所でした」