6.住宅ローンや自動車ローンについて

ローン返済途中の家や車が流され、返済が困難になってしまった――。そんな場合、原則では返済義務は残りますが、返済のタイミングを猶予してもらえたり、返済の一部が免除(私的整理)される動きもあります。私的整理をしても個人信用情報に記録を残さないことがガイドライン(基本指針)となっていて、新たな住まいを確保するためのローンも借りられる可能性が高いです。

全国銀行協会では、災害救助法が適用された自然災害に被災し、ローンの返済が困難になった人に対し、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に応じた債務処理を各銀行に周知しています。上記の特別措置では、「財産の一部を手元に残したままローンを精算できる」「弁護士など専門家の手続き支援を無料で受けられる」といったサポートが受けられることがあります。該当する場合はぜひ利用しましょう。

7.各種公的支援について

災害で亡くなられた方への「災害弔慰金」(最大500万円)、重度の障害を負われた方への「災害障害見舞金」(最高250万円)、住居や家財に大きな被害を受けた場合に各市町村が低利で貸し付けを行う「災害援護資金」(最大350万円)などがあります。問い合わせ先はいずれも市町村の担当窓口です。

さらに一時的な生活支援費や実費ベースの住宅補修費などを貸し付ける「生活復興支援基金」という制度もあります。ただし所得金額に一定の制限があり、災害援護資金と重複して受給できない場合があります。窓口は各都道府県の社会福祉協議会です。

8.罹災(りさい)証明書について

居住家屋がどのくらいの被害を受けたか(全壊、大規模半壊、半壊など)を認定してもらう罹災証明書は、各種公的支援の申請や保険金の支払い請求に必要な重要書類です。お住まいの各市区町村の窓口で、必ず申請しましょう。

被害の状況が確認できる写真、修繕の見積書・領収書などを申請書に添えると、よりスムーズです。罹災証明書に記された被害の程度によって、地方税や固定資産税、国民健康保険料や介護保険料、水道料金などの減免を受けられる場合があります。

担当者による認定調査が必要なこともあり、大規模災害の場合には罹災証明書の発行までに数週間~数カ月を要することもあります。自治体によっては、罹災証明の申請の際に「罹災届け出証明書」を即日発行している場合があり、自動車や家財の被害に関する保険金の請求に使うことができます。