米国経済は09年が底
3つの投資法を検討せよ

指数連動型ETFやバフェット式、テンプルトン式で運用する<br><strong>経済評論家 山崎 元</strong>●1958年生まれ。経済評論活動を続けるかたわら、投資と投資教育のコンサルティングを行っている。
指数連動型ETFやバフェット式、テンプルトン式で運用する
経済評論家 山崎 元●1958年生まれ。経済評論活動を続けるかたわら、投資と投資教育のコンサルティングを行っている。

個人投資家にとって、2005年に株式投資をしていたかどうかは、その後の成否を分ける結果となっていた。05年に株価が急上昇したころまでに株を買っていた人は、相応に資産を増やすことができたが、翌年以降に株を買った人は、今回の暴落でほとんどが負けている。だが、株価水準が05年以下になった今は、再び株を始めるチャンスでもある。

金融危機だ、世界恐慌だと聞かされると、世界の株式市場は二度と復活しないようにも思えるが、そんなことはない。今回の暴落は、不動産価格の下落に伴う不良債権問題の発生であり、通常の景気循環から起きたものだ。ただ、事の起こりがアメリカの不動産市場なので、やや規模が大きいというだけにすぎない。

しかも、そこからの過程は、1990年代日本のバブル崩壊後を早回しで見ているかのようだ。07年夏のサブプライム・ショックは、日本で不動産価格が下落に転じた92~93年、08年のリーマン・ショックは、山一証券や日本長期信用銀行など金融機関の破綻が相次いだ97~98年である。仮に09年に、アメリカのGDPがマイナス2%近くになったとしても、そのあたりが底で、徐々に回復に向かう可能性も高いだろう。

日本の株式市場では、東証一部の平均PBR(株価純資産倍率)が0.9倍前後まで売り込まれている。企業の解散価値を株価が下回る、常識では考えられない状況だ。言い換えれば、このタイミングで株を始めるのは悪い選択ではない。

そこで、3つの投資法を紹介したい。