「現在はインターネット革命による産業の変化が進行中で、自動車や電気の登場が社会に与えたインパクトと同じような規模の構造変化が起きているのです。おそらく40~50年くらいかけて変化すると思うのですが、インターネットが一般的になり始めた年を95年とすると、自動車で例えると現在はT型フォードが誕生したくらいで、まだトヨタも登場していない段階。これから古い産業と新しい産業がどんどん入れ替わるはずです」とミドル世代専門転職コンサルタントの黒田真行さんは言う。今まで当たり前にあった仕事がデジタル化され、人工知能、ロボットに代わりつつある。

そんななか転職市場はどうなっているのだろう。働く人が不足しているなら、人を確保するために賃金は上がるはず。積極的な転職で年収アップを図るチャンスがありそうだが、実際はそうではない。黒田さんに職種をカテゴリーに分類していただいた(図2)。

「Aは不動産や生命保険、自動車などのセールスのように個人で生み出す成果が重視される高付加価値な職種で、固定給が低めで、成果型の報酬比率が高いケースが多い。ハイリスク・ハイリターンな印象もあって、希望者が少なく常に人手不足な領域です。

経営者、法務や金融系のスペシャリスト、事業企画のプロなど、組織としての成果を最大化する責任を負い、求人数は少ないですが、場合によっては年収3000万円クラスの求人もある超高付加価値型の領域がBです。

Cは営業事務、一般事務、販売・接客、警備など、派遣、パートも含め、最も求人が多い領域です。業務パターンがシンプルで定型的。賃金水準も雇用の安定性も低い傾向にあります。

いわゆる総合型の正社員として組織貢献を求められる管理職などの領域がD。高付加価値な組織成果が求められる領域ですが、日本の場合、スペシャリストとしてのキャリアを積みにくく、何でも屋に陥りがちな側面があります。年齢が上がるほど求人件数は少なく、この領域で転職先が決まらずCの領域へという人も少なくありません」