耐震性に優れたエネルギーネットワークの強化

実は丸の内二重橋ビルは単にビルを建設するだけではない。二重橋から有楽町に渡るエリアのインフラ整備という目的も隠されている。

周辺地域のエネルギーネットワークを強化。

「もともとこのエリアは地域冷暖房を採用しているのですが、地域冷暖房施設の配管は建物間を経由して施設されていたので、地震で被災したり建て替えなどをすると、その供給が止まってしまう恐れがありました。また、丸の内エリアは災害時に多くの帰宅困難者が発生する可能性のあるエリアですが、周辺ビルの非常用発電には限りがあるなどの課題もありました。こうした課題を解決すべく、仲通り下に耐震性に優れる洞道を整備し、新たに建築される丸の内二重橋ビルに地域冷暖房のメインプラントや周辺ビルの帰宅困難者対応もまかなえる大型の非常用発電機を設置しました。ビルの建て替えを行う際に、単体のビルの機能向上を図るだけでなく、エリアとしての価値向上を図れることが丸の内エリアの再開発の強みだと考えています」

このほか東京駅京葉線コンコースと地下鉄2駅(日比谷駅と二重橋駅)を地下でつなぐバリアフリーの地下歩行者ネットワークを整備。隣接ビルの地下駐車場をネットワーク化し、地上交通の負荷を軽減していくという。

二重橋は国際交流都市として大きく生まれ変わることができるのか、三菱地所の挑戦は続く。