サッカーのW杯ロシア大会で活躍する日本代表。呼び方は、「ニホン代表」なのか「ニッポン代表」なのか……。「ニッポン! ニッポン!」と声援を送っているけれど、ニホンのほうが和風の感じもする。もし子どもに聞かれたら、大人のあなたはどう答えるか。“今すぐ子どもに話したくなる”雑学5話を厳選し、紹介しよう――。

※本稿は、『頭のいい子が育つ! 子どもに聞かせたい雑学』(KADOKAWA)の内容を再編集したものです。

「1馬力」はそもそもどれくらいの力か?

クルマのエンジンなどの能力を表すときには「馬力」という単位が使われる。ただ、1馬力が「1頭の馬の仕事量」に匹敵するということはわかるが、具体的にはどれくらいの力をいうのだろうか。

そもそも「馬力」という単位を採用したのは、蒸気機関を改良したイギリスのジェームズ・ワットだった。当時は馬や牛で荷物を運ぶことが一般的だったため、彼は実際に馬に荷馬車を引かせ、550ポンド(約250キロ)の重量を1秒間に1フィート(約30センチ)動かす際の仕事率(単位時間当たりの仕事量)を「1馬力」と定めた。

つまり馬力とは、一定時間にどれだけの力で、どれだけの距離を動かしたか、という仕事率のことなのだ。だが、「英馬力(HP)」と呼ばれるこの定義はポンドやフィートを基準にしているため、異なる単位を使っている国ではわかりづらい。そこで、フランスでは英馬力をキログラムとメートルに換算し、「1馬力は、75キロの重量を1秒間に1メートル移動させる場合の仕事率」と定めた。これが、日本でも採用されている「仏馬力(PS)」である。

もともと、1馬力は1頭の馬の仕事量だったが、現在のサラブレッド種などは3馬力以上もあるという。ちなみに、人間の力は馬力に換算すると0.3馬力程度といわれている。

日本は「ニホン」? それとも「ニッポン」?

「日本」の読み方を「ニホン」か「ニッポン」のどちらかで迷った経験は、誰にでも一度くらいはあるはずだ。しかし、ズバリ結論からいえば「両方とも正しい」。

「日本」という国号は7~8世紀初めに定められたといわれる。「倭(わ)」から「日本」に国号が改められ、遣唐使によって唐(中国)に通告されると、唐もこれを認めていた。その頃「日本」がどう読まれていたかは明らかではないが、当時の中国読みで「日」を「ニッ」と発音していたことから、「ニッポン」が先に誕生し、次第に促音を発音せずに「ニホン」と読まれるようになったという。

そして、奈良時代にはすでに「ニッポン」と「ニホン」が混在するようになり、昭和初期まで併用され続けてきた。昭和9(1934)年、文部省臨時国語調査会が「ニッポン」に統一することを決めたものの、政府が正式採択するには至らず、それが今日まで続いているのだ。