1度体験すると、こわくなくなる

うまく間がとれたときは、武道で技が決まったときのような感覚が味わえます。Kさんも「『間』の威力と、うまくいったときの痛快さを実感した」と話してくれました。このように痛快さを1度でも体験すると間をとるのがこわくなくなる。今ではKさんは、どんなにみんなからジロジロ見られても、余裕の笑みを浮かべて待っていられるようになったそうです。

しかしながら、ただ黙って間をとるのは辛いものです。そんなときにおススメなのが、別の行動を挟む方法です。

たとえば会議やプレゼンの場面であれば、資料をそろえたり、パソコンをつないだりといった一連の準備を黙って行います。話しながら準備をすると、あたふたして落ち着きのない人に見えてしまいます。そこをあえて黙って行うことで、結果として間がとれます。

無音になると下を向いていた人もふっと顔を上げます。その瞬間に「では始めます。本日のテーマは○○です」と結論を短く言う。間をとったあとが、最も人をひきつける瞬間です。いわばスポットライトが当たったときですから、そこで長くしゃべってしまうと効果は半減。間の効果を最大限に発揮するためには、結論をよく考えて準備しておくことも必要です。

イラスト=アヤコオチ