その場にいた人全員に100万円の札束を祝儀として手渡した

バブルの発生、そしてその崩壊。これら一連の経済の動きは多くの人生に影響を与えました。私はその頃、融資の仕事には直接かかわっていなかったものの、銀行員をしていましたから、そうした「悲喜こもごも」をこの目で見てきました。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/TAGSTOCK1)

バブル期には、私たち銀行マンは、不動産会社などからの要請で数億円もの資金(融資金)を「現金」で用立てさせられることがありました。同業他社の知人によれば、売買の現場でそのお金を不動産会社の担当者に渡すと、その一部を手数料というよりは「祝儀」のようにその場にいた人全員に100万円の札束を手渡ししたそうです。あろうことか、知人の銀行員にも札束を差し出したので、慌てて断ったそうです。つまりは、そういう時代だったのです。

さらには、バブル崩壊後、東京銀行は合併をしましたが、あまりの不良債権の多さに嫌気がさして銀行を辞めた後輩もたくさんいました。

その後、1997年と2003年の2度の金融危機がひきがねとなった景気低迷(デフレ経済)は当初「失われた10年」と言われていましたが、それが「20年」に延び、もうすぐ「30年」と到達するところです。

▼「半分、青い。」の主人公が歩む「著しく低成長」な時代

今や、日本人はすっかり低成長に慣れ過ぎてしまい「失われた」という言葉さえ死語と化しています。最近は、企業業績も上向いているとの報道もありますが、多くの労働者は景気のよさを肌で感じてはいませんし、わが国がいまだ「著しく低成長な国」であることを忘れてはいけません。

現在は、バブル期など比べ物にならないほどの超金融緩和政策アベノミクスでなんとか景気を維持していますが、しょせんはカンフル剤でしかありません。

人口減少や高齢化がますます進み、対名目GDP比での財政赤字が先進国中で最悪という状況下で、「本物の成長戦略」が望まれますが、なかなかこれといった処方がでてきません。

これでは今後の日本経済が心配です。「半分、青い。」の主人公たちは、こうした時代の荒波にもまれながらも懸命に生きます。そうした時代背景を踏まえて、ドラマを見ていただくといいかもしれません。

日本経済全体を振り返ると、高度経済成長期やバブル期にあった「熱気」はすっかり覚めてしまいました。経営コンサルタントとして、またドラマの経済考証担当として、今後、日本が得意とする製造業やおもてなし上手のサービス業などがその技に磨きをかけ、さらには規制緩和により農業などを「強い」産業にしていく、といった施策が必要だ、とつくづく感じています。

ドラマの主人公はバブル崩壊とともに高校を卒業して漫画の仕事に関わります。今は、そのあたりまでドラマが進んでいます。バブル期に青春時代を過ごした人には前向きの人が多いですが、主人公も前向きです。

その後も紆余曲折があるのですが、まだ進行中のドラマのため、詳細は控えさせていただきます。時代背景を考えながら、ドラマでご確認くださいね。