「スーツとシャツ」で周囲とのコントラストを生み存在感を出す!

(1)服装

【ケネディ候補】
濃紺のスーツ、薄水色のシャツ、赤と青のストライプのネクタイ、ポケットチーフ。
体型にフィットしたスーツ。

【ニクソン候補】
グレーのスーツ、白のシャツ、単色で薄めのカラーのネクタイ。
体型にフィットしないブカブカのスーツ。

川園 樹(著)『未来を変える「外見戦略」』(KADOKAWA)

まず色に関してですが、ケネディ候補のスーツは、濃い色でダイナミックさや堂々とした印象を与え、一方、ニクソン候補のスーツは、薄い色で弱さや控えめな印象を与えます。また、ケネディ候補の濃い色のスーツと薄い色のシャツはコントラストが強く、生き生きとした強烈な印象を与えています。

一方で、ニクソン候補の薄い色のスーツと薄い色の白シャツはコントラストが弱く、控えめでぼんやりとした印象を与えます。特に白黒画像では濃い色、薄い色のコントラストは際立ちます。

そして、背景とのバランスを考えることも大切です。例えば、プロフィール写真の撮影時やテレビなどの出演時は、背景の色や要素とのバランスを考えて、同化しないようにコントラストを強調するようにすることで、本人の存在感や表情、発言の情報を強めることができます。

次にサイズに関してですが、ケネディ候補は体型にフィットしたスーツを着用していることで、自身をきちんとコントロールしているように見え、主張が強く伝わり、存在感も増し、力強い印象になります。

一方、ニクソン候補は体型にフィットしないブカブカのスーツを着用していることで、スーツに自身をコントロールされているように見え、主張の伝わり方が弱く、全体的に弱々しい印象になります。

最後にVゾーンを見てみると、ケネディ候補は、2つボタンのジャケットの前ボタンを外し、胸元、Vゾーンがたくさん見えているので、隠し事がなく正直で、自信がある印象を与えています。一方、ニクソン候補は、前ボタンを留め、胸元、Vゾーンの開きが少ないので、保身的で経験が浅く、自信がないような印象を与えます。

例えば、リクルートスーツなどは前ボタンの位置が高く、Vゾーンがあまり見えないので、初々しさや従順な印象を与えます。

またご年配の政治家の方や経営者の方に多く見られるのですが、前ボタンの位置が低すぎたり、ブカブカのジャケットの前を開けたままだったりするのは、Vゾーンの開きの面では、ある種の大物感を演出することはできますが、度がすぎると時代錯誤で融通が利かない、高圧的な印象になりますので、注意が必要です。