「青いワイシャツ」はヘンな英語表現!?

きちんとした装いに欠かせないのがワイシャツである。だがこの「ワイシャツ」、海外ではほぼ通じない和製英語なのだ。

『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』(KADOKAWA)

ワイシャツは、袖を広げると「Y」の字になるからこう呼ばれていると思っている人もいるが、それは間違い。Tシャツはれっきとした英語で、袖を広げると「T」の字になるからそう呼ばれるのだが、ワイシャツは「ホワイトシャツ(white shirt)」が日本でなまって生まれた呼称なのである。

white shirtの読みを、あえてカタカナで書けば「ホワイトシャト」となるが、英語ではワイの部分にアクセントがあるために「ワイシャ」と聞こえ、語尾の「ト」も「ツ」に聞こえるので「ワイシャツ」になったのである。

広告などではワイシャツを「Yシャツ」と書いていることがあるが、もともと「Y」とは何の関係もない。さらに、そもそも「白いシャツ」なのだから、「青いワイシャツ」というのも当然おかしな表現ということになる。

ただ、衣類としても言葉としても、ワイシャツは日本の生活に深く根を下ろしている。もはやほかの呼び名にするのは不可能だろう。

雑学総研(ざつがくそうけん)
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく日々情報収集に取り組む傍ら、最近ではテレビ番組とのコラボレーションも行った。
【関連記事】
日本にもともと「ら行」の言葉はなかった
生類憐みの令“野良犬天国”の「その後」
"信長に仕えた黒人"は本能寺で何をしたか
"小中学校の友人"なんてクソみたいなもの
7500万円タワマン買う共働き夫婦の末路