スタバ以外ならタリーズコーヒーやエクセルシオールカフェ等。隣席との距離が近すぎるマクドナルドなどは、その点でやや不向きです。私は都心の丸の内、品川、目黒、恵比寿、渋谷、新宿、池袋、横浜などをはじめ、札幌、仙台、新潟、名古屋、京都、大阪梅田・なんば、兵庫西宮・三宮、広島、福岡など、全国の都市で面接に適したカフェを開拓済みです。

礒谷 幸始(著)『上位5%で辞めない人財を採る方法77―1万人を面接してわかった』(プレジデント社)

また、就活生は電源コンセントやWi‐Fiを欲しがるもの。ノマドワーカーが利用していそうな電源カフェとして知られるワイアードカフェなども近年できていますが、スタバも充電用の電源を無料で使える店が各地にそろっています。

面接時にはコーヒー代はもちろんこちらがもちますが、終わったら「じゃあ私は別件があるので」と先に立ち去ることも。その際には、コンセントの使いやすい席を学生に教えてあげ、コーヒーもそちらに運んであげます。そういう気遣いも大切です。

就活生にとっては、オフィス内の面接で、終わったら自分が社外へと移動しなければならない場合より便利でさえあります。店内に残って資料を広げることもできますし、Wi‐Fiを利用してもろもろの必要な活動をすることも可能だからです。

学生によって面接回数は臨機応変に

欲しい学生を思うように採れない会社は、選考プロセスの設計が十分にできていないことが多々あります。逆に言うと、自社で作り上げてある選考プロセスにこだわりすぎていて、そこから逸脱する柔軟性がないということ。

例えば、面接のルールを、(1)人事の採用担当者→(2)現場面接→(3)人事部長→(4)最終面接と固定化して、誰に対してもそれを適用している、といったことです。

「この子、優秀だな。採りたいな」と判断できた学生なら、4回にこだわらず、いきなり最終面接にとんで「内定」でもいいのに、何がベストな設計かの分析・検討を怠っているわけです。

せっかく自社で働いてくれると言っているのに、段取りにこだわっている間に、学生側も不安になったり、「あれ、違うかな?」と心境に変化が生じたりして、選考辞退ということにもなりかねません。

逆に、4回どころか10回やってもいいかもしれないケースも出てきます。学生の思考がなかなか定まらず、評価は高いのに学生側が自社に対してやや消極的な場合です。