若手にしろ、ベテランにしろ、どの職場にも「問題児」はいるだろう。どう向き合えばいいのか。「プレジデント」(2018年3月5日号)では、9つの場面について、具体的な対処法を識者に聞いた。第6回は「陰口叩いて印象操作」について――。

面と向かって、「では改善案は?」と問う

組織のなかで陰口を叩くのは、たいてい社歴の長いベテランです。問題なのはそのことによって組織全体のモチベーションが下がってしまうこと。タイプ別に対処法を見ていきましょう。

「現状をなんとかしなくては」と問題意識を持ちながら、社内で意見を述べる場がなく、陰で方針批判をしているような部下に対しては、本人の意識が建設的な方向に向かうよう導きます。

たとえば「このプロジェクトはこのままだと失敗する」と陰で言っている部下がいたら、呼び出して「どこに問題があるのか、君の意見を聞かせてほしい」と尋ねるのです。

「批判する以上、何か改善案を持っているはず」という前提で、陰口を表に出してしまう。もし建設的な意見があれば参考にするし、聞いた意見が役に立たなかったとしても、真摯に部下の意見を聞く姿勢を見せるだけで、「今度の課長は下の意見に耳を傾けてくれる」と評判になります。

単に上司と折り合いが悪いだけで批判に回っている人もいます。こうした場合、多くはコミュニケーション不足が原因なので、改善のために心理学でいう単純接触効果、「コミュニケーションを交わした時間に比例してお互いの関係がよくなる」という関係を利用することです。頻繁に話を聞いてやることで悪感情を氷解させ、好感を持つよう仕向けることが可能です。