敵が嫌うのは、面倒くさい人

振り回され続けた結果、最悪の場合は心身に不調をきたしてしまうこともある。会社に行こうとすると吐き気がしたり、動悸がしたりするのは、不調のサインだ。また、自信喪失により相手の言いなりになって、支配される構造から抜け出せないという悪循環に陥る可能性もある。

このような事態を防ぐために、まずは、振り回されていると少しでも感じた場合、いったん、自分の状況を客観的に見つめてみてほしい。そうすれば正常な判断ができるようになる。「そもそも、この上司の言っていることは間違っているのではないか」「ほかにも方法がある」など、別の道が見えてくるかもしれない。

また、勝手に自分が下手に出ている可能性もある。「いい人と思われたい」という承認欲求が強すぎると、それを利用されて蟻地獄のように振り回す・振り回される関係にはまっていくのだ。

「『ちょっと面倒くさい人』と思われることも対策の1つです。人を振り回す人というのは、『この人は何をしても言い返さないから大丈夫』というのを鋭く嗅ぎ分けています。自分の身を守るために、あえて面倒くさい人になることも重要です」

▼他人に振り回される人7つの要因
愛情欲求や承認欲求が強い人ほど振り回されやすいもの。それに次の要因が加わると、さらに振り回されやすくなる。あてはまる要因が複数ある場合は注意が必要だ。


1.自己評価が低い
劣等感があり、自信がない。特に子供の頃、母親にけなされた人に見られがちな傾向。
2.弱い立場に置かれている
派遣社員で身分が不安定など、弱い立場にあると「振り回す人」にすがることに。
3.強い欲求不満がある
年下の上司に乱暴な指示を出されるなど、受け入れがたい不満がある。
4.他力本願である
職場や家庭で不満を募らせているが、状況改善のための自発的な努力はしない。
5.孤立している
親密な人間関係を避ける。特に他人に弱みを見せたくないという虚栄心が強い人が危ない。
6.「おかしい」サインを無視
振り回す人に対して、防衛本能が「危ない」と警告サインを出しても無視してやり過ごす。
7.真実に向き合うことを恐れる
振り回す人に利用されている事実を認めることを恐れるほか、報復を恐れる場合も。
※取材をもとに編集部作成。