「会議が多い会社はつぶれる」といった通説があります。会議に時間をとられ、本来の業務に支障が出ている人も多いのではないでしょうか。パナソニックシステムソリューションズジャパン部長の木部智之氏は、「会議では最速で結果を出すことを目指すべき。お互いの理解不足で生じるような議論はムダでしかない。まず、こういうムダな議論を排除すべきだ」と言います。ムダを省くためには、どうやって会議を運営すればいいのでしょうか――。

※本稿は、木部智之『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』(KADOKAWA)を再編集したものです。

会議で起こりがちな「ムダな空中戦」をそのままにしない

口頭でのコミュニケーションは、1対1だけではなく、ミーティングや会議のように3人から10人以上の大人数で行われることもあります。

会議に参加しているときに、はたから見ていて、「(いましゃべっている)この2人、議論がかみ合ってないな……」と感じることがあるのではないでしょうか?

口頭で議論しているときにありがちな光景ですが、この「空中戦」は、時間のムダでしかありません。

このような「ムダな空中戦」は、参加者の「意見の相違」ではなく、参加者の「理解が異なる」ところから生まれる場合がほとんどです。

言うなれば、きちんと相手の意見を理解できていれば、起こらなかった衝突です。

「議論がかみ合わない」と感じたら、即、ホワイトボードに書く

このような不毛な事態を避けるために活用すべきなのが、「ホワイトボード」です。

話の内容を図解にして「イメージ」として伝えると、大人数の参加者にも、ほぼ同じ内容で話が伝わります。それぞれが理解している内容が共通化されれば、きちんと内容についての議論ができ、「ムダに議論がかみ合わない」という事態を避けることができます。

「報告」や「連絡」などの一方向のコミュニケーションではなく、「議論」のような双方向のコミュニケーションが中心となる「会議」では、ホワイトボードを使うことが「会議」の成否を分けるといってもよいでしょう。

話をしている人の頭の中を「見える化」することが、実に有効なのです。

「2軸思考」で、議論を「見える化」していく

あなたがもしチームリーダーなら、「議論がかみ合わない」という事態になっていても、いなくても、日常的に、率先してホワイトボードを使うことをおすすめします。

その際、「2軸」を意識して、ホワイトボードにメモを書いてみてください。

この「2軸」とは、「タテ軸とヨコ軸の線を引いて、そこに、あらゆる事象を配置してみると、シンプルに整理しながら考えられる」ということで、私が「2軸思考」と呼んでいるものです。

議論で出てきた意見を「2軸」に落とし込んで書くと、その意見が全体の中でどこにあるのかが、よく見えます。

例えば、いくつかの課題を解決するために議論をしているときには、次のような「2軸」の枠を提示して、議論を進めます。

ヨコ軸、課題A、課題B……とする。