「残り96万円払え」難癖の元妻はいかに裁判所を動かしたか

このような給与天引きを一度、裁判所へ申し立てると、達也さんが元妻と交わした公正証書に便宜的に記載した最終回(長女が20歳に達する翌年の3月)まで続くことになります(4月、5月の分を除くと月4万円×22カ月=88万円)。自分の口座に自動的に振り込まれる元妻にとっては非常に都合のいい仕組みですが、達也さんは暗澹たる気持ちになりました。

念のために長女に確認すると、正社員として得た給与から、1LDKの賃貸マンションの家賃、水道光熱費などの生活費、携帯代などを自分で支払っており、元妻は長女にかかる費用を一銭も負担していません。

写真はイメージです(写真=iStock.com/iconogenic)

すると、いま、養育費が元妻に振り込まれるとどうなるのか。

達也さんによれば、元妻の性格からして給与差押によって回収した養育費を長女に渡したり、長女のために使ったりする可能性はかなり低いということです。

「私利私欲のために浪費され、元妻のこづかいに消えるのは目に見えています」(達也さん)

▼娘が独立している事実を裁判所にわざと伝えなかった元妻

このまま達也さんが何の対応もしなければ、次の給与日がきた瞬間、差押は実行され、給与から天引きされてしまう。そうした期限が迫ったタイミングで、達也さんは、行政書士で男女問題研究家の私のもとを訪ね、こう声を荒らげました。

「娘がまだ就職していなくて、あいつ(元妻)のところにいれば、僕だって20歳まで養育費を払います。それなのに(娘が独立している)事実を裁判所に伝えないまま養育費をだまし取ろうとするなんて、あんまりだと思うんです」

達也さんは元妻にメールをしました。

「もう養育費を払わなくてもいいはずだし、差押も困るから取り下げてくれよ」

すると、妻からすぐに返信がきました。難癖だらけの内容に、達也さんは青ざめました……。

以下、後編へ続く