「お金の管理が大の苦手」妻のずさんさに夫唖然

どうやら、ご夫婦は新婚生活を始める際、生活費を事前に予測できていなかったようです。このため袋分けの予算を根拠なく「各4万円」としてしまいました。こういう場合、まずは家計の実態を把握することが大切です。

「袋分け」で家計管理を行う場合、食費、日用品、交際費など、費目ごとに毎月いくらかかっているのかを正しく知らなければ、予算が立てられません。そこに気づかず、安易に「袋分け」を始めると、うまくいかないのです。

そこで、アイさんに家計の支出記録を確認したところ、「家計の記録」という発想すらなかったことがわかりました。アイさんはお金の管理が大の苦手で、ひとり暮らしをしているときも、銀行口座の残高があれば使い、なければガマンという生活をしていたそうです。

それでも結婚が決まってからは、「ネットや雑誌のマネー記事を読みあさり、生まれて初めてお金や家計について勉強した」といいます。その勉強も残念ながらあまり役に立ちませんでした。妻を信じて月32万円を渡していたタカシさんは、アイさんのいささかずさんな金銭感覚を知って、驚いていました。

▼自動で支出記録が残る家計簿アプリを使った
写真=iStock.com/scyther5

家計簿の習慣のない人に、支出の記録をつけてもらうにはどうすればいいか。最近はスマートフォンを使えば、自動で記録が残る家計簿アプリがあります。夫婦で共有・管理できるアプリもあり、今回はその機能を使ってタカシさんも一緒に記録してくれることになりました。

この家計簿アプリは、カード決済をすると自動的に記録される仕組みです。本来であれば、家計改善時はできるだけ現金で管理することをおすすめしています。「お金の減り具合」を実感やすく、浪費に気づきやすいからです。ただし今回は、出産間近という状況で、妊婦さんのストレスを増やすわけにはいかないので、カード決済のアプリを使うことにしました。

そのかわりクレジットカードではなく、コンビニエンスストアなどから事前に入金する「プリペイド型カード」を利用することにしました。入金するたびにお財布の中身(現金)が減るので、「現金感覚」で使うことができます。事前にチャージした金額内で利用するため、使いすぎる心配はありません。利用履歴はアプリで確認できます。